初期段階で治療を始めることは、アルコール性認知症を回復させるために重要なポイントである。初期段階であれば回復も十分に期待できるが、症状が進行してしまうと回復の可能性は相当に低下すると考えられる。しかし、厄介なことに、アルコール性認知症の初期段階にある場合、当人や周囲が症状から気づくのは困難ともいわれる。

アルコール性認知症の初期症状には、感情的になりやすくなる、手の震え、物忘れなどが挙げられる。しかし、いずれもアルコール性認知症ならではのものではなく、症状から病名を推測するのは難しい。

お酒を飲む量が多い人にこれらの症状が見られた場合は、周囲の方が病院などに相談して早めに治療を行えるようにするとよいだろう。仮にアルコール性認知症でなかったとしても、アルコール依存症やそれに近い状態は放置できるものではないので、病院などの専門機関に相談するのが確実である。

アルコール性認知症の主な原因に挙げられるのが、ビタミンB1の不足である。ただし、ビタミンB1を多く摂取すれば対策できるというわけではない。各種の肉類などビタミンB1を多く含んでいるものを摂取することは無駄ではないものの、お酒を断たない限り回復は期待できないのだ。

体内でアルコールを分解するためにビタミンB1が多く使われる以上、お酒を断つことが何より重要だ。そのため、アルコール性認知症の疑いがある方が周囲にいる場合、一刻も早くお酒をやめてもらうためにも、アルコール依存症の治療を行っている病院に相談するとよいだろう。